Balatro プレイメモ
Balatro とは
ひとことで言うと「ポーカー x ローグライク」ゲーム。 さまざまなカードでデッキ構築しつつ、ポーカーの役を作ってステージを突破していくゲームです。
去年 (2024年) のインディーゲームの中でも人気が高いようで、色々なランキングで 1 位や上位に入っているのを見かけました。
ゲームジャンルも僕が好きなタイプだったので、流行には遅れているかもしれないですがプレイしてみました。
主なハード
かなり広いハード向けに展開されています。 (余談: ギャンブル寄りのジャンルなので、レーティングなど苦労があったっぽい…)
ハード | 価格 |
---|---|
Steam (Windows) | 1,700 円 |
Nintendo Store (Switch) | 1,700 円 |
App Store (iOS) | 1,500 円 |
Google Play (Android) | 1,500 円 |
Play Station Store (PS5) | 1,650 円 |
Xbox | 1,750 円 |
iPhone 版をプレイしてみました。まだ10周くらいしかプレイしていないので、全てを分かった訳ではない上での感想です。
ゲームのルール
詳細はプレイしてみないと分からないと思うので、ここには大まかにだけ書いています。
- 基本はポーカー。配られたトランプのカードの中から 5 枚を選んで役を作る。
- 役ごとにスコアがあり、そこに色々な追加効果を加えた点数が獲得スコアになる。
- カードの交換とプレイの回数には上限が決まっている。ラウンドごとに目標スコアが設定され、それを超えるとクリアで次のラウンドに進める。
- ラウンドのクリア報酬でお金が貰える。お金を使ってショップでジョーカーやタロットカードを購入できる。
- ジョーカーは100種類以上もある。保持することでそれぞれの効果を発揮する。効果も様々だが、ある条件下で役のスコアをアップするなど。
- タロットカードは使うことで効果を発揮する。デッキのトランプカードを変化させて特殊効果を付与するものが多い。
- ラウンドをなるべく多く進めることが目標 (24ラウンドくらいでクリア表示が出て、そこからはエンドレスモードになる)
構築できるもの
デッキ構築ゲームということで、いくつかデッキ構築できる要素があります。
- ジョーカー
- 戦略の軸になり、それぞれが以下の例のように特殊な効果を持っています。
- 特定の役やカードが強くなるもの (ツーペアでスコア+80、など)
- ジョーカー自体の強さが変わるもの (倍率に+(タロットカードを使った回数)、など)
- お金やカードが得られるもの (ラウンド終了時に+$4、ランダムなタロットカードを増やす、など)
- その他のパラメータを変えるもの (手札の枚数+1、引き直しの回数+1、1度にプレイできるカードの枚数+1、など)
- ゲームの前提を変えるもの (スペードとクラブを同スートとみなす、カードをすべて絵札とみなす、効果の倍率が一律で上がる、など)
- 戦略の軸になり、それぞれが以下の例のように特殊な効果を持っています。
- デッキのカード
- デフォルトではトランプの52枚のカードですが、効果やショップによってカードを増減したりカードに追加効果を付与することができます。
- 役のレベル
- 役ごとにレベルがあり、開始時の Lv.1 から上げていくと役の基本スコアが増えていきます。
- レベルアップは主に、後述する惑星カードを使って行います。
- バウチャー
- ショップで買うとそのチャレンジ中ずっと効果を発揮します。「ショップでの購入価格が25%安くなる」など、比較的効果も控えめです。
- タロットカード
- その場で使うか保持しておいてプレイ中に使います。使うと消費されます。
- トランプカードを強化・変化させるものかお金を増やすものが多いです。
- スペクタルカード
- 基本はタロットカードと同じですが獲得しづらく、より強力でデメリットもあるものが多いです。
- 惑星カード
- これも消費されます。基本的には即使用か売却することになると思います。
- 惑星ごとに対応する役があり (例: 土星ならストレート) その役のレベルが 1 上がります。
感想: 面白いところ
掛け算でのスコア計算
スコアは "基礎スコア" x "倍率"
で計算されます。
まず役ごとのスコアがあり、例えばフルハウス Lv.1 は 基礎スコア 40 x 倍率 4 のように決まっています。そこにジョーカーやカードごとの追加効果として
- 「スコア +100」
- 「倍率 +8」
- 「倍率 x1.5」
などと増えていきます。(倍率の掛け算が一番強い印象)
そのため、スコア、倍率のプラス、倍率の掛け算 それぞれをバランス良く上げていくことが大事になります。 例えばスコア+ の追加効果ばかり増やしていても倍率+ の追加効果を持っていないとスコアが伸びていきません。
これにより、ルール自体はポーカーという単純なものでも様々な効果の組み合わせにおけるトレードオフや戦略性が発生しやすくなります。特にデッキ構築というジャンルとの相性が良いと思いました。
存在しない役を出す気持ちよさ
やはり、普通のポーカーで出せない役を出して桁違いのスコアを叩き出す快感というのは大きいと思いました。
5カードや「フラッシュ + フルハウス」など、普通のポーカーでは出せない役がいくつかありスコアも高く設定されています。
これは、ポーカーという既存ゲームをベースにしている強みだと思いました。
より広く言うと街中で暴力を行うゲームなどにも近いものがあると思いますが、現実で制限されていることやなかなか達成できないことをできる、というのはゲームの醍醐味だと思います。
感想: 難しいところ
フラッシュが強すぎる
デッキのカードのスートを1つに揃えていくと何を引いてもフラッシュが打てるようになるので、デッキ構築とプレイの難易度が圧倒的に低いです。
ポーカーの特定の役を強化していく場合、デッキ構築の方向性は
- スートを揃えてフラッシュを狙う
- 数字を揃えて 4カード (5カード) を狙う
- バランス良く集めてストレートを狙う
の 3 つになると思います。Balatro のカードの効果として、どのスートにも対応するワイルドカードや手札のカード3枚のスートを変えるカードなど、フラッシュ狙いに適した効果が多くなっています。
一方、数字を揃える方向では手札 1 枚の数字を1増やすカードくらいで、狙ってデッキ構築することが難しくなっています。
そのため、デッキ構築が結局フラッシュ狙いになってしまうのが残念なポイントだと思いました。
ここに対する調整案としては、カードの数字を揃えて 4カード、5カードを狙うことができると良さそうだと思いました。そのためには、「3の倍数を同じ数字としてあつかう」「カードの数字を好きに変更する」といった効果のカードを増やすと面白そうです。
追記:
追加で 20〜30 回くらいプレイした感想として、フラッシュだけということは無さそうでした。A を揃えてフォーカードやファイブカードを狙うデッキ、絵札を集めてフルハウスやストレートを狙うデッキ、… など幅広いデッキ構築ができそうです。
そもそも強いジョーカーは役に依存しないものが多いため、特定の役を強化する必要性があまり無いという理由です。
ただ、「フラッシュデッキは構築しやすく、プレイも単調になりやすい」という難しさは依然あると思いました。
感想: デッキ構築のゲーム性について
「デッキ構築」や「ローグライク」ゲームについて一般的な感想です。
デッキ構築ゲームは「段階」という概念があると思います。今回プレイした Balatro では、
- 序盤はお金を増やしてショップの試行回数を稼ぐ。すぐにスコアが出せるジョーカーでラウンドをしのぐ。
- 中盤は強いジョーカーを揃えていく。またそれによりデッキ構築の方向性を決める。 加えて、カードを強化できるジョーカーを使ったり、ジョーカー自体の倍率が増えていくタイプのジョーカーを育て始める。
- 終盤は、強化されたジョーカーやデッキをベースにプレイしつつ、さらに強いカードを育てていく。
終盤の部分は曖昧な書き方になってしまったけど。ジョーカーの枠が5枠あるので、3枠くらいでラウンドクリアできる火力を出しつつ、残りの枠で将来に向けた調整をする、のような運用が良いという感覚でした。 逆に言うと、5枠で勝負しないとラウンドクリアできないくらいになったら、あまり強化にリソースを回せないので近いラウンドでゲームオーバーになります。
この「段階」が変わっていくことがデッキ構築ローグライクゲームの面白さに繋がると思います。 カードの効果との組み合わせなどで上手く色々なゲーム要素と紐づけると、 序盤はお金が大事、そのあとはデッキのカードに追加効果を付与、そのあとは役のレベルが大事、のように段階が変わっていき戦略も変えていかないといけないようなゲームになります。
それだけではないかもしれないですが、これが 1 つのデッキ構築ゲームの面白さなんじゃないかなあ、という感想でした。